【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第28章 守りたい君の居場所
あれ......?
「ありがとう。いつにしようか?」
「ち、違います!サラッと言われすぎて、適当に返事してしまいました!」
「でも、さっきのは有効だよね?」
「余裕で無効ですから!」
「ふふっ、相変わらず手のひらで転がすのが上手だね。」
「転がしてませんから!」
「転がされてもいいよ。騙されてもいいから、俺とずっと一緒にいて。」
『騙されても良いから。』その言葉に彼を見つめる。
「どうしたの......?」
ただ自然な言葉が漏れただけだよ。
彼が知っているはずないから、大丈夫......。
私が警戒しないといけないのはもっと別の人だ。
「いえ、何でもないです。」
話しながらも作業は続いている。
「昨日も言いましたけど......私をからかう時間があったら、見た目も心も綺麗な人を探してくださいね。」
そこで沈黙になる......。
「矛盾してるよ。」
「え?」
「みょうじさんは俺の結婚を応援してくれたのに。」
「してますよ?今も。」
「でも......それって、俺に一生結婚するなってことだよね?」
「なんでですか?」
「みょうじさん以上に、見た目も心も綺麗な人がいるの?」
また、からかって......見上げた顔は真剣なものだった。
「いっぱい居ますよ。増長さんが深く知ろうとしていないだけで、身近でもつばさちゃんとか。可愛いし性格良いし......。」
これ以上踏み込まれたら、ボロが出るかもしれない。
私の心を読むのが上手い彼に、迂闊に近付いたらダメだ。
「とにかく、この話はおしまいです!」
力強く言い切った私に、彼がキョトンとする。
「ふふっ、仕方ないから今日は終わらせてあげるね。」
拒絶しながら、終わらなせないでほしいと思ってる。
ほんと、ズルイな......。
『もう、戻れない。』あの時の声が頭の中で反響する。
「皆さんを起こして来てもらえますか?」
「うん、わかったよ。」
私は、彼に対しても嘘が上手くなったんだ。
それが酷く悲しかったーー。