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【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第28章 守りたい君の居場所


「一緒に来てください。」

着いた場所はMooNsの部屋だった。


「ただいまー。」

「お邪魔します。」

彼に手を引かれて、リビングに入る。


「あれー?なまえチャン!」

「なまえ、いらっしゃい。」

「お邪魔します。」


「なまえと釈村、一緒だったのか?」

「そうなんです。一緒にお買い物に行ってました。」

「寄って行きませんかとお誘いしたんです。」


でも、なんだか空気がおかしい。

彼らはリビングのソファーに勢ぞろいしている。


「どうしたんですか?」

彼も当然異変に気づいていた。


「みょうじさん、いらっしゃい。空気が悪くてごめんね......帝人に聞きたいことがあって待ってたんだけど、これどういう事?」


テーブルの上には、


『退所願』

探し物をしていた暉くんが、帝人さんの部屋で見つけたそうだ。


「これは、何ていうか......念の為というやつです。」


「じゃあ、辞めるつもりはないんだな?」

その問いかけに、悲しいくらいに動揺する彼。


「なんで......答えないの?」


「ちょっと、落ち着きましょう。ね?」

その顔をみれば答えは明白だった。

きっと、何か理由がある。今、一番辛いのは彼だろう......。


「昨日から様子がヘンだった。なまえも気付いたから、みかについて来たんじゃないのか?」

「それは......。」


「帝人、ちゃんと話して。」

「なまえさん、ありがとうございます。皆さんにはきちんとお話するつもりでした。」


「僕は、MooNsを辞めます。」

言葉に詰まる様子を見れば分かっていた事だ。
ただ、直接聞くと鈍器で頭を殴られたような衝撃だった。


「じょ、冗談やめてよー。だって、ありえないでしょ?そんな話。俺は、騙されないよー?」

「すみません。冗談じゃないです、決まった事なんです。」


「ふざけんな!!そんなんで納得出来るわけないだろう!!」

彼に掴みかかろうとする龍さん。


「や、辞めてください!!きっと、何か事情が......。」

その腕に咄嗟につかまった。

泣きそうな顔をしていただろう、こちらを見た龍さんの顔が悲しそうに歪む。
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