【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第28章 守りたい君の居場所
「少し会えませんか?」
そんな連絡をもらったのは、仕事が終わる時間だった。
待ち合わせ場所は事務所のロビー。
「帝人さん!ごめんなさい、遅くなってしまって......。」
「いえ、僕も今来たところです。」
彼は大学帰りだそうだ。
こんなにかっこいい人が同じ学校に居るなんて、考えるだけでもすごい。
同じクラスの人は落ち着いて授業受けれるのかな?
「ありがとうございます。昨日の『NEWS NEO』も素敵でした!」
活動の幅を順調に広げる彼ら。なんと彼はニュースキャスターをしていた。
「ありがとうございます......」
その言葉に俯く彼。なにやら様子がおかしい。
元気がないよね?
彼の表情はなんだか暗く見える。
「そうだ、ついて来てください!」
「え!?」
私は戸惑う彼の腕を掴んで歩き出した。
「素晴らしいです!」
着いたのはアニメグッズのお店。
そこには、マミリングッズが並んでいる。
少し元気が出たのかな?先程よりは心なしか元気に見える。
「このキーホルダー可愛いですね!」
そこには並んだチビキャラのキーホルダー。
「なまえさんも興味が湧きましたか?」
「確かに!帝人さんの熱弁を聞いたら、全く知らない人でも興味が湧くと思います。人に伝える力に秀でてるんでしょうね。
アニメは、現実で何か悩んでたら非現実的な世界に飛ばしてくれますよね?魔女っ子もそうですけど、私もそういう夢のあるものが好きです」
あれ?
彼はこちらを見つめている。
「何か変なこと言っちゃいましたか?」
「いえ、なまえさんは本当に鋭いなと。僕にとってマミリンは逃げ場だったので......」
どうして、そんな......悲しそうな笑顔。
「前に、帝人さんらしくない事を言っていましたよね?新選組の舞台の時です。『親だからって子供の事をいつまでも一番に考えているとは限らない。』って。本当は、ずっと気になってたんです。」
その言葉が確信を突いたようで、彼はハッとした表情をした。
「家での逃げ場がマミリンだったって事ですよね......何でそんなに暗い顔をしているのか知りたいんです!余計なお世話かもしれませんが、お願いします!」
彼はとても辛そうな顔をしていた。