【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第26章 My precious
日が暮れ出す頃には無事に準備は整っていた。
洞窟もあるし、火もおこしたし、食料も水も確保した!
「さすがに遭難二回目ともなると貫禄が出てきますよね」
「もう次はないといいね?」
そう笑い合った。
「助けが来ますかね?」
「それは大丈夫だと思うよ。まず海水浴場に俺たちの荷物と車はあるままだし。みょうじさんは澄空さんに言って出てきたよね?」
「はい」
遅くても私達二人がお仕事に来ないってなったら必ず探してくれるもんね。
「でも俺はついてるかな?」
「え......?」
「後をつけられずに独り占めできるもんね」
何を......?
そう思うと同時に私達の距離は近づく。
「ま、増長さん?」
あっという間に壁際に追い詰められた。
「日が暮れたら寒くなるよ。温め合おうね?」
「はい。私が温めますよ?」
そう笑うと抱きしめられた。
あれ?増長さんの方がずっと温かい。
むしろ......
「なんか......熱い......?」
見れば彼の息は荒い。
慌てて額をくっつけた。
「ね、熱......!?」
しかもかなりの高熱だ......。
「えっと......とりあえず水分摂りましょう!」
水分補給は大切だもんね。
「どうぞ!」
彼にペットボトルを差し出した。
「無理。飲めない」
えっ......?
彼の口から予想とは違う答えが返ってきた。
頬に熱くて柔らかいものが触れる。
増長さんの手だ。
「飲ませて?」
「ど、どうやってですか?」
「その可愛い口で」
「えっ!?」
くち......?
くちで飲ませるって......?
「口移しして?」