【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第26章 My precious
「ーーさん!」
遠くで何か......。
「みょうじさん!!」
声がはっきり聴こえて目を覚ました。
「ま、ますながさん......?」
目の前には彼の姿が。
「よかった......無事で......」
そう笑った彼を見ると思わずその首に抱きついた。
彼はしっかりと受け止めてくれる。
「ありがとうございます。増長さんが無事で良かった......」
「ごめんね。俺が海に誘わなかったら......」
「そんなことないです!でもなんでカナヅチの私と海だったんですか?」
「話すと格好悪いけど......俺泳ぎは得意な方なんだよね。それを知ってほしくて。結果的に浮き輪に助けられたけどね」
「とても上手でした!そのおかげで私は今生きています。本当にありがとうございます」
彼の手が下げた頭を優しく撫でてくれた。
本当に無事で良かった。
「どういたしまして」
流れ着いたのは前回同様何処かの島のようだ。
デジャヴ......。
「人生二度目の遭難ですね......」
「本当にね」
立ち上がって周りを確認する。
運良く錆びているがナイフとペットボトルを数本確保できた。
何処かから流れてきたのかな?
「まずは......水と食料を探して火をおこそう」
「二手に分かれますか?」
「いやダメだよ。俺から絶対に離れないで」
真剣な彼に手を掴まれる。
「は、はい」
私が頼りないからだ......!
普通ならここで二手に分かれるはずなのに!
「陸の上でもお役に立てずに......ごめんなさい」
「突然どうしたの?なんの話?」