【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第26章 My precious
「みょうじさんで良いんだよ。みょうじさんが良い」
素敵な笑顔でそう言う彼。
水に濡れた前髪を搔き上げた姿は、貴重かもしれない。
「いつもかっこいいですけど今日は水も滴る良い男ですね」
「そうかな?ありがとう」
そんな話をしていると、突然大きく波打った。
「きゃっ!」
「わっ!」
あれ?
今日は晴天だったのに突然空が暗くなる。
「なんだか......懐かしい光景ですね」
「そうだね、皆で行った無人島......」
二人で空をぼんやり見上げる。
嫌な予感がする......。
「急いで戻ろうか」
「はい」
彼も同じ気持ちのようで急いで砂浜に引き返すことにした。
すぐに雨が降り出して、波が次第に荒れ出す。
「やっぱり......嫌な予感がします」
「絶対に手を離さないでね」
「はい!」
風も激しくなって嵐が来そうだ。
急いで引き返す私達の上に大きな影が落ちた。
大波ーー!?
「みょうじさん!!」
「きゃっ!」
腕を引かれると強く抱きしめられて
その背中に思い切り腕を回したーー。