【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第26章 My precious
ぷかぷか。
私達は海を漂う。
でも......
「安定の浮き輪スタイルです」
「ふふっ。可愛いくてよく似合ってるよ」
彼は隣で背泳ぎをしている。
「背泳ぎこそ最強の泳法!!」
「ふふっ、何それ?」
「私は息継ぎしたら沈むので息継ぎしなくていいから最強の泳ぎ方だと思います」
大真面目なのに笑われた......?
「ははっ、みょうじさんは泳げる人が好きなんだよね?」
「はい。二人ともカナヅチだと確実に助からないじゃないですか?」
「遭難する......前提なの?」
「え......?でも泳ぎの上手な人なら相手だけでも生きれます!私は水の中では全く無力なので」
「ふふっ、何それ?俺なら二人で助かりたいな。一人で助かるくらいなら最後まで一緒に居るよ」
「え?そもそも泳げる人と付き合ったら問題ないですよ」
「うーん、それだと意味がないんだけど」
どういうことだろう......?
「小さい頃の私は......人って産まれながらにして皆泳げると思ってたんですよ。だから敢えて練習しなかったんです!」
力説してそちらを見る。
あれ......?
何やら彼はポカンとしている。
「ぷっ、あははっ!」
なんか笑われた?
「本当に面白いよね。女の子相手にこんなに笑うのは初めてだよ」
えっ......?
「そ、そうなんですか?素敵な笑顔なのに......よりによって見せる相手が私なんて」
「よいしょ......」
私の浮き輪に彼が肘をつくと距離が近付いた。