【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第25章 KICK OFF !
「増長も愛染に毒されてるよな。とにかく、何を聴こうが何処に座ろうが澄空の自由だろ。」
背中に庇ってくれる彼。
「ありがとうございます。剛士くん。」
「二枚あった......。」
どうやら、拾ったチケットは二枚あったそうだ。私も誰かと分かち合いたい派だな。
「そんなああああ!お宝チケットを二枚も!?」
「暉、ポイントはそこじゃないよ?」
「えっ、リーダー?なんで?」
「まさか、デート!?」
「澄空がデート!?」
愛染さんと龍さんも驚いているようだ。
私たちは、並木道をあてもなく歩く。
「なんか、全然想像つかない。だって、つばさちゃんってー。」
「いつも、バタバタしてる。」
「気遣い屋さんだよね。」
「私が男ならありとあらゆる手を尽くして、彼女にしますよ!」
「それ、俺に尽くさない?」
「愛染さんが女性だったら、色気が凄すぎて手に負えないです......。」
「ははっ、なんで女だとなの?」
「可愛い女の子は正義なんです。癒しなんです。私、つばさちゃんLOVEなんです!」
「俺も可愛いでしょ?」
「セクシー担当じゃないですか?でも虫が苦手なのは可愛いです。」
「虫はやめて。」
「可愛いです!」
「なまえの方が可愛いよ。」
そのままギュッと抱きしめられた。
「可愛いって言っても......百くんは喜んでくれません!」
「なまえ、可愛いは言うな。」
「美し「それもダメだ。」
「かっこいい!......いいんですね?」
「ああ。」
何やら、皆さんが百くんを見ている。
「つばさは、電源周波数の違いを知らない。」
「音に対する感性はまあまあだな。その点、お前は天才......んぐっ!」
その発言に口をものすごい勢いで塞いだ。
「剛士くん、お口チャックですよ?」
「ぶはっ、鼻まで押さえんな!殺す気か!!」
「殺すわけないじゃないですか!剛士くん居なくなったら寂しいです。」
あ、赤くなって黙り込んだ。
「さっき、物凄く喜んでたけど......。」
チケットを渡した時のつばさちゃんの反応だそうだ。
「忙しい時に癒しの存在は欲しいかもしれませんね。」
「なまえチャンも欲しい?」
飛びついて来た暉くんをよろけながら受け止めた。
その質問に満面の笑みを浮かべる。