【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第22章 Sweet Temptation
今日は、ついに歓迎会当日。
「おっじゃま〜しま〜す!!」
悠太くんの元気な挨拶に心が躍る。
みんなでMooNsの部屋に来ているけど、
「あの......離さないんですか?」
なぜか、右手が北門さんに繋がれている。
「なまえの手は、小さくて可愛いね」
「えっ?ありがとうございます。北門さんの手は綺麗で、指も長いです」
「ありがとう。今日は楽しもうね!」
「はい!」
あれ、なにか忘れてるような......?
まぁ、いいや。
チャイムを鳴らすと、増長さんが出迎えてくれる。
「いらっしゃい」
「MooNsの部屋、久しぶりに来るな」
愛染さんは、久しぶりなんだ。
そちらを見つめていると、
『イラッシャイマセ』
なんだろう?
機械音が聞こえた。
ーーバタンッ!
「ひぃ!」
背後の扉が突然閉まって、変な声が出てしまった。
だって、誰も居ないのに......。
ーーガチャンッ
鍵もかかった!
「なまえ?」
顔の距離が近くて、思わず彼の腕に抱きついていた。
「ごめんなさい!」
「ははっ、離れなくてもいいのに」
「え?」
「行こうか」
北門さんに連れられて足を踏みいれると、MooNsの皆が迎え入れてくれた。
「「いらっしゃい!」」
「「お邪魔しまーす!」」
「やっぱり広いねー!」
「5人だからな」
ーーピピッ
『コンニチハ、ルーカストイッテオモウシツケテクダサイ』
どこかから先程の機械音が。
ピピッって音......驚いてしまう。
見られてたよね?
「大丈夫?」
「北門さん......ハイテクですね。現代っ子コワイ」
「なまえは現代っ子じゃないの?」
「あ......確かに」
ルーカス......かなりスタイリッシュな形なんだな。
「それで、あれってなんですか?」
「知らないのか?」
百くんが買ってきたルーカスは、AIスピーカーらしい。
いろいろ喋るんだって。
「機械に疎いんです。機械に強い人はかっこいいですよね!」
「そうか......ルーカス、室温をあと2℃下げて」
ーーピピッ
『2℃、サゲマシタ』
すごい......言うことを聞いた。
「お利口さんだ。なんだか可愛いですね!」