【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第21章 新たなMelody
特別......?
「剛士くん的な意味ですか?昨日『お前は女じゃねぇ!』って言われたんですけど......」
その言葉に、はっとする彼。
「剛士、なまえにそういうこと言うな。傷つけるなよ」
何故か、愛染さんが怒ってる。
疑問に思ったのが、だだ漏れだったのかな。
「俺が大切にしてあげるから。剛士なんて放っときなよ?」
そう言って、ギュッと抱きしめられる。
「あ、甘過ぎます!」
「なまえは甘いもの好きでしょ?沢山あげるよ」
「それは食べ物の話ですから!」
「俺も食べて?」
「た、食べません!」
殿さんが気付いてこちらにやって来た。
「金城さん、この間俺のダンスが完璧じゃないと言いましたよね?」
「ああ、そうだな」
「俺、フリは完璧に覚えてました。逆に健十さんの方が「悪かったな、へなちょこダンスで」
「そこまでは......言ってないって」
「でもな、三つ星フレンチのフルコースより、心の込もった下手くそなオムレツの方が美味しいって事もある。なまえのオムレツなら世界一だね?」
私のオムレツは分からないけど、かなり良いヒントだ。
「想像したら、お腹空きました......」
「お前は本当に食うか寝るか喋るかだな」
「正解!」
「クイズから離れろよ!」
「降ろされたからには何か理由があるはず。その理由が知りたいんです」
剛士くんは教える気は無さそうだ。
ヒールの音が聞こえて、目の前を女性二人組が横切っていく。
愛染さんが彼女たちにウインクすれば、その顔はみるみる赤くなる。
「殿さん、こういう事ですよ!」
「うーん。」
伝わらないか......。
「なまえ、行くぞ!」
「はい!剛士くんは殿さんに自分で気づいてほしいんです。私もそうです。殿さんならきっと気付けると信じてますから!」
そう伝えると、踵を返してその後を追いかけた。
「ごうちん、なんで教えてあげないの〜?」
「俺はそんなに甘くねぇんだよ」
「ええっ!そんな事言って気にしてたくせに〜!」
「はあ?夢でも見たんじゃねぇの」
「剛士くんは優しいですからね。でも、私も殿さん本人が気付かないと意味が無いと思います」
殿さん、早く気付けたら良いな......。