【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第21章 新たなMelody
「なまえさん、ちょっと良いですか?」
「は、はい」
殿さんに呼び出されたのは翌日の事で、彼に連れられて一緒に公園に向かう。
そのまま、ベンチに腰掛けた。
「金城さんからヒントをもらって、理由が分かったんです。でも、ダメなんです。急に健十さんを真似てみても。彼のようには出来ない」
「うーん、愛染さんのような殿さん......ふふっ、想像できないです。同じようにする意味が、果たして本当にあるんでしょうか?」
「えっ......」
「だって、私ダブルセンターに愛染さんと殿さんが選ばれた時『目を惹く二人だ!!』って思ったんです。
でも、似てるとかじゃなくて......殿さんには殿さんの良さがあるでしょう?誰しもそれぞれ違った良さを持ってますよ」
彼はきょとんとしていた。
こちらに子供達がやってくる。
可愛い......。
男の子二人に女の子一人、お友達かな?
「この間は、ごめん」
突然、謝った彼。
殿さんと知り合いなのかな?
「あの、これ......」
彼はポケットから飴玉を取り出した。
子供達はちょっとフリーズすると、そのまま逃げて行った。
ええっ!?
「ちょっとー、君たちー!!」
私の声に子供達が戻って来る。
戸惑っている彼から飴玉を一つ取ると、そちらに差し出した。
「はい、どうぞ!」
私の笑顔が感染するみたいに女の子も笑顔になる。
「ありがとう」
次は男の子にも。
「はい、どうぞ!」
「ありがとう」
その子も可愛い笑顔を見せてくれた。
「最後は、お兄ちゃんからもらおうね!」
促された彼は、戸惑いつつも微笑んで飴玉を渡した。
その男の子も微笑む。
「ありがとう」
三人は「じゃあねー」と手を振って行ってしまった。