【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第21章 新たなMelody
「すごい!まだ2回目のレッスンなのに、こんなにしっかり!
特に殿さん。全然間違えない。もう完全にフリを覚えてるんだ!
でも、なんでだろう。愛染さんにばかり目がいっちゃう」
隣でつばさちゃんは悩んでいるようだ。
アイドルには、必要不可欠なもの......。
「歌手より、歌が上手い人なんて一般人でも沢山いるよ。人口数が違うからね。でも、その中で歌手を目指してなれない人が沢山いる。何でだと思う?それも一つの理由かな」
私の言葉につばさちゃんは、ぽかんとしている。
愛染さんは、自分の見せ方をよく分かっている。
ふいに彼と目が合うと、投げキスされた。
さすがだ......。
そこで、ストップがかかる。
「唯月くん、ステップが遅れ気味」
「愛染くんは前に出過ぎないように注意して」
おっとりだもんね、唯月くん。
愛染さんは、別のことに集中してたからかな?
「それと、殿君。センターをチェンジしてもらいます。代わりは遙日君にお願いします」
その言葉に、キラキンのメンバーは戸惑っている。
こちらを見ている剛士君と目が合った。
彼が頷いて、私も頷き返した。
きっと、THRIVEの三人ははその理由に気づいてるよね。
理由を知りたがる殿さんだけど『演出上の都合』で納得してしまった。本当にセンターを外されてしまうのかな?
この振りを二回目の練習で完璧に仕上げてくる。
努力家なのに......本当に勿体ない。
「お前、何でセンター外されたか分かってんのか?」
殿さんとのすれ違いざま、剛士君が声をかけた。
「演出上の都合ですよね。フリは完璧に入っています」
「完璧だったら外されねぇよ」
教えてあげたいけど、それじゃあ意味がない。
彼自身が気づかないと。
「今日はここまで!遙日くんは次までにセンターの振りを覚えて来てください」
それが終了の合図となった。
レッスンルームを出て行く殿さんに続いて、つばさちゃんも行ってしまった。
「なまえ、何でか分かってるよな?」