【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第19章 みんなで奏でる始まりの音(2期)
次の日は予定通り、朝から全員での撮影だった。
撮影準備が進む中、ライトの調整がうまくいってないそうだ。
誰かに真ん中に立って欲しいとの要望の声が上がった。
「俺でもいいですか?」
「もちろん!助かる」
快く引き受けたのは増長さん。
彼は言葉選びからして本当に謙虚だ。
私があんなにかっこいい男の人だったら、あの謙虚さを果たして持っているのかな?
白い宮殿に色鮮やかなステンドグラスのセットは、彼によく似合って綺麗......。
「相変わらずいい子ちゃんだな、和南は」
とんっと肩に触れられると、至近距離から声がした。
「愛染さん」
「見過ぎだよ」
「み、見過ぎてません!」
「俺の事も見て?」
「近いです......」
「リーダーの守備範囲はえげつないですからね」
彼の隣にいる帝人さんが言う。
「老若男女問わずですか?」
守備範囲って言い方は......恋愛対象だよね?
ちょっと待って、彼への見方が変わる気がする。
「確かに......増長さんは優しいですもんね。困っていると私でも助けてくれますし」
私は恋愛対象なんておこがましいけど。
「俺だって負けてないよ。なまえなら大歓迎なんだけど」
「えっと......どういう意味ですか?」
愛染さんは、私の腰を抱くと顔を近づけてくる。
「なまえなら、ベッドの中でもとことんお姫様扱いしてあげる」
「ち、近いですから!」
「ケンティは女の子に特化してますよね?でも、なまえさんを離してください」
様子を見ていた彼は、私の腕を引いてくれた。
「ありがとうございます」
「いえ、ケンティは年中こんなですからね。気をつけてくださいね?」
帝人さんは紳士だな。
愛染さんは......
「ウサギですね」
「なんで?」
「個体によっては、年中発情期だからです!」
「そうなの?可愛い見た目なのに」
「愛染さんも自重してくださいね?」
「可愛いなまえも年中発情期になってよ」
「えっ?」
「すぐに俺が満たしてあげるから。ね?」
「なんだか、本能的に危ない気がします。遠慮しときます!」
「そんなこと言わずに、一緒に甘い夜を過ごそうよ」
再び顔が近づく。
「あ、愛染さん......」