【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第19章 みんなで奏でる始まりの音(2期)
キ、キスされる!
慌てて目を閉じると唇に柔らかいものが触れた。
「健十、離してあげてね」
それは増長さんの手で......さすが老若男女問わない。
でも、その笑顔はいつもと違って見える。いつもは王子様か天使のようなのに。
「なまえは、俺のA&Rだから」
愛染さんに腕を引かれると唇に柔らかいものが触れて、増長さんの袖に素早く口元を拭われる。
あれ......キス、された?
ぽかんとしていると
「俺達は何度もキ「ああーっ!」
キスって言おうとした?増長さんの口を慌てて塞ぐ。
「どうしたの?慌てる姿も可愛いけど」
笑顔で両手を握られたけど、最近増長さんがおかしい!
「和南はトモにもそうだけど、なまえに対してはかなり素だよね?」
「そうだね。彼女はありのままを受け入れてくれるからかな?」
その後耳元で囁かれた言葉は衝撃的だった。
『自分に結構Sな所があったってみょうじさんのおかげで知れたよ』
それは結構真面目に......知らなくて良かった事です。
「なるほどね......似た者同士なわけだ」
似た者同士......?
「えっ、見た目からして月とスッポンなんですけど......むしろ、スッポンに失礼かもしれないです」
「みょうじさんが月?分かるよ。ずっと見てたい可愛さだからね。大切に飾っておきたいくらいだよ」
大真面目にそう言う彼。このひとは、なにをいってるんだろう?
「そんな訳ないじゃないですか!自分の顔、鏡で見た事あります?私がその顔なら、バレンタインチョコいっぱい貰ってみたいです!可愛い女の子にちやほやされたい......」
可愛い女の子は正義だもんね。
「みょうじさんって、どうして男だと不誠実なの?スッポンだなんて、こんなに可愛いのに。そういう自覚が無い所が危なっかしくて心配なんだよね」
「確かに。なまえは自覚ないよね。危なっかしいし、すぐ襲われるよ」
この二人といたら、感覚が麻痺してしまう。
自分が、美少女のような錯覚に陥って......。
信じてはダメだ......お世辞だから!