【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第2章 重なり合うMonochrome
雰囲気が元に戻り安心すると、再び意識は流れるメロディーへ移った。不意に耳に入ったメロディーに違和感を感じる。
さっきのところ......何だか変な感じがしたような。
「これ......」
「うん......?」
つばさちゃんが声を出したのもほぼ同時だ。
「どうかした?」
大黒さんに問われるが明確な答えが出てこない。何が変だったんだろう?自分でもわからない。
何だったんだろう、さっきの。
違和感を抱えたまま車はスタジオに到着してしまった。現場で聞いた話によると、キタコレは揉めないしレコーディングもスムーズで0時超えないとのことだ。仲が良いし息も合うそうで、車内の様子からその話に納得した。
「良かったね!つばさちゃん」
「てっぺん......?」
首を傾げたつばさちゃんはそのままで、二人の次のスケジュールについて聞かれる。
「ケツ......?」
「いえ、今日はレコーディングで終了ですよね?」
夜叉丸さんから何も聞いていないから、そうだと思う。
「うん、そうだよ。じっくりお願いします」
「きっとてっぺんは0時とケツは次の仕事の事だよ」
頭を抱えて目を回しているつばさちゃんにそう言うと、納得してくれたみたいだ。
ブースにはまず北門さんから。次に是国さんが声を重ねるというレコーディング方法だそうだ。
「頭からツルッ」
業界用語に反応するつばさちゃんを見ながら、言葉の意味を予測する。
「ニュアンス的に最初から最後まで通すって事じゃないかな?」
「なまえちゃん、すごいね」
「いや、何となくだからすごくないよ!」
そんなやり取りをしながらレコーディングを見守る。