【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第8章 想いはContraly
旅館に帰り幻の漢方薬を照明の下で改めて見ると、
あれ?
「これ、ヨモギじゃないですか?」
地域によってはゴダイソウと呼ばれるらしい。
へたり込む野目さんは、暉くんを喜ばせてしまった事を謝った。
「私からも、ごめんなさい」
頭を下げた後で野目さんの肩を抱いた。
「でも、野目さんは暉くんの為に......ヨモギの花言葉は『幸福』です。確かに万能薬ではないですが......暉くんに幸せを運んでくれるはずですよ?」
「ふーん、食べるよ俺。俺にとっては万能薬だもん!」
暉くんはそう言ってくれた。その言葉に涙がこみ上げる。
「なまえちゃんが教えてくれたように俺に幸せを運んでくれたみたいだ!幻の万能薬なんて手に入んなくても、俺の為にここまでしてくれる人達が側にいる。それだけでもう......病気と闘う力無限大だよ!」
彼の笑顔はとても眩しい。
いつもそうだ......彼の笑顔は私を元気にしてくれる。
暉くんは、周りを笑顔にする力を持っている人だ。
微笑み合う、二人......本当に素敵な関係だな。
早く彼の病気を治せる薬が、開発されますように......。
「なまえチャンもありがとう!」
暉くんはそう言うと私を抱きしめてくれた。
「私は何も。でも、暉くんの笑顔が見れてよか......、うっ......」
「なまえチャン、泣かないで!」
「ひかるーん!!」
あれ、阿修くんの声?
スパーンッと襖が開くと、皆が居た。
結果的には、Bプロメンバー皆が揃ったみたい。