【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第1章 Happeningは運命の予兆
あり得ない顔面偏差値の暴力に、隣のつばさちゃんが完全にフリーズしている。赤い顔はこれ以上ない程に真っ赤で、そのうち火が出そうだ。
「つばさちゃーん、つばさちゃーん」
顔の前で手をヒラヒラ翻してみるけど......う、動かない。
「おい、やっぱりこいつら......大丈夫かよ」
でも......もう我慢できない。金城さんの方に身体ごと向いて、真っ直ぐ彼の紅い瞳を見つめた。
「金城さん、確かにお仕事では至らぬ点はあると思います。でも大丈夫かそうでないかは、これからの仕事っぷりで決めていただければと思います。一生懸命努めさせていただきますので、宜しくお願いします!」
下げた頭を上げると金城さんは鳩が豆鉄砲を食ったようで、きっと私が言い返した事が意外だったのだろう。
「阿修さん、先ほどは庇っていただきありがとうございました」
「ううん、こちらこそ!ごうちんがごめんね」
出会ったばかりだけど彼は優しい人だ。他の二人は阿修さん無しだと、いつでも喧嘩に発展しそうだし。
「初対面で剛士を黙らせるなんて、なまえやるね」
愛染さんがお腹を抱えて笑いだした様子にぎょっとする。また喧嘩にならなるんじゃないかと心配していたら、金城さんがこちらに近づいて来た。叱られるのかと身構えると私達に「悪かった」と確かに言った。
「えっ......?」
小さな声だったが、意外にも彼は謝罪してくれたのだ。
「いえ。こちらこそ生意気な発言、失礼しました」
きっと分かりにくいだけで悪い人じゃない。さっきも助けてくれて助かったし。これから皆さんと仲良くなれるようにお仕事頑張ろう。