【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第7章 魅惑の浅葱色
翌日、ワークショップの選考結果が発表された。
「沖田役は......若王子 竜之介くん!」
やはり、彼が沖田役だそうだ。
失礼だけど今の彼が沖田役をしても、ただの人斬りだよね。
三人は落ち込んでるよね?
でも、尊王攘夷派でも出演自体に価値がある。
これでまた、Bプロの露出が増えるわけだし......言ったら失礼だけど、この場に居る人の中で三人は極めてかっこいいと思う。
舞台は池田屋事件であろう演出で稽古が進む中、 ついに対峙するシーン。
その時、百くんの様子がおかしくなった。
何か見えているのだろうか......?
予想は的中で、若王子さんが突然暴れ出した。
えっ、何......?
次の瞬間、松倉さんに斬りかかる。
ーーキーンッ!
松倉さんはその刀を咄嗟に受け止めたけど、彼を止めないと!
慌てて彼らに駆け寄る。
剛士くんの視線の先には、二人の男性。
操られている......?
他の人達も、全員様子がおかしい。
その証拠にこちらに向かって来た!
三人が危ない。
「なまえ、下がっていろ!」
百くんは私を後ろに下げると、背に庇ってくれる。
そのまま、バッサバッサとその人たちを斬っていった。
剛士くんと帝人さんもそれに続く。
三人とも、すごい......!!
もはや、浅葱色の羽織が彼らの背に見えた。
最後の一手は、百くんが放った若王子さんへの面だった。
階段落ちの光景が頭に浮かんで......彼らの戦いは終結した。