【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第87章 あなたの瞳に永遠を誓います......(最終話)
「みょうじさんは欲しがり屋さんだから、俺がちゃんと躾けてあげるね」
「躾けて......あげる?」
今度は満面の笑みだけど聞こえてきた言葉は綺麗な笑顔に似合わない。
「あんた......また怒らせてるの?」
「なまえの天然は昔からだろ」
「沙知、真司!」
こちらに来てくれた二人。
素早く沙知の背後に回る。
「あれ?あの時のなまえの式の新郎の子だよね?」
その事実に気づいたのは北門さんだった。
「そうです。あの時はせっかく来ていただいのに偽装結婚ですみません。幼馴染みがお世話になってます」
「楽しそうで優しそうな人達だね......なまえが言った通り」
「でしょ!テレビの中より本物の方が素敵なんだから!!」
「おめでとう。あの日のドレス姿より綺麗だな」
「本当におめでとう。良かったね!」
ニカッと笑いかけてくれる真司に、抱きしめてくれる沙知に泣き出しそうに......
「おめでとう!せっかく綺麗なのに、泣いたらダメだよ。化粧崩れちゃう」
「詩織......」
涙を素早く拭いてくれたのは詩織だった。
「ありがとう......普通にしてたら可愛いのに。損してるね......」
「あれ?なまえ、失礼じゃない?」
「え?」
何やら背後が騒がしい気がする。
「どうも、なまえの兄です」
お兄ちゃん?
「ふふっ、どうも。なまえの東京の兄です」
握手をしてるのは......
「夜叉丸さん!?」
握手......一見そう見えるけど、手をガッチリ組み合った二人の顔は引きつっている。
どういう状況?
「なまえちゃーん!」
「つばさちゃん!」
こちらに手を振ってくれるのはつばさちゃん。
「すごく綺麗、似合ってるね......おめでとう!」
「ありがとう......」
可愛い笑顔に癒される。
この笑顔が隣になかったら、私は東京で頑張れてないと思うから。
「本当に今までも沢山ありがとう......これからもずっとよろしくね」
ギュッと抱きしめると、抱きしめ返してくれて涙が溢れた。
「なまえちゃん?泣かないで......」
抱きしめられたままで、おろおろするつばさちゃん。
ふわりと身体が宙に浮く。