【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第85章 一番近くで
「いや、俺は......『みょうじさんは太ってても可愛い』って前に「それは付き合う前の話ですよ」
「そっか......そうだよね」
出会いの日に俺達全員の名前をすぐに覚えたことがあったけど、みょうじさんの記憶力は異様に高い。
「増長さんは私が男の人といて、気になりませんでした?」
そう尋ねた顔は少し不安気で、本当にどんな表情でも愛しい。
「気になるよ。もう少しで聞いちゃいそうだった......でも『信じてる』って言ったから。みょうじさんを信じたいから、聞かなかったんだよ」
やっぱり、信じて待ってて良かった。
「内緒にしてて、ごめんなさい......」
抱きついてくるみょうじさんに、現金だけど一瞬で悩みなんてどうでも良くなる。
「ううん、俺もごめんね。聞くのが正解か聞かないのが正解なのか......分からなかったから」
ふるふると頭を横に振る彼女。
その柔らかな髪が頬を掠めた。
「増長さんが良いって思ったことが、私にとっても正解です。ずっと大好きです」
その身体を抱きしめ返して思うこと。
俺はみょうじさんが側に居てくれるなら、どんなことでも頑張れると思う。
「お誕生日おめでとう......俺も大好き。一生離さないよ」
「ありがとうございます。こちらこそ、離しません!」
「ふふっ、謎の男らしさは健在だね。それなら、今から出しに行こうか?」
「え?」