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【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います

第85章 一番近くで


「増長さん......一緒に入ってもいいですか?」

タオルで身体は隠れているけど目のやり場に困る。
あんまり見られたくないかもしれないし。


「うん」

いきなり予想外の展開。
タオルを外して湯船に浸かればその距離は結構近い。


「温かいね......」

「はい」

マリッジブルーという言葉がある。
結婚前で色々不安なことがあったのかもしれない。


ちゃんと聞いてあげたら良かったのかな。
でも聞かれたくない事だと嫌な思いをさせる。


きっと......解決したから隣に居てくれるんだよね。
とにかく今日は『結婚』に触れないようにしよう。

側に居たら口が滑ってしまうかもしれない。


「俺はもう出るからゆっくり温まってね......」

素早く言い切るとそのまま浴室を後にした。


いっそのこと先に寝てあげてた方がいいのかな?
そのままベッドに横になる。

今日は彼女の実家に改めて挨拶にいった。

『明日私は嫁ぎます。今まで大切に育ててくれてありがとう......』

ご両親にそう言って泣き出したみょうじさんの姿を思い出すと何だか胸がいっぱいになった。


泣きそう......。

今みたいにお互いの気持ちがよく分からなくなることはこの先数えきれない程あるだろう。

これから何十年と一緒に居るんだから。


今まで大切に育てられたんだ。
これからは俺が大切にしないといけない。


「もう寝ちゃいましたか?」

思案していると小さく聞こえた声。


「まだ寝てないよ。みょうじさんも座って」

「はい......?」

身体を起こすと向かい合わせになる。


「今もこの先も不安に思うことがあったとしても......ちゃんと大切にする。それを含めてみょうじさんで絶対に幸せにする。命を懸けて改めて誓うから、ずっと俺の隣に居てくれる?」

ごめんね。
『結婚』について触れられたくなくても、これだけはちゃんと伝えさせてほしい。


俺は......この先どんなみょうじさんも、受け入れるし必ず幸せにする。


「最初にプロポーズした日から......ううん、恋人になった日から俺の気持ちは変わらない。むしろ日に日に大好きになっていくから、ずっと隣に居させてほしいんだ」
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