【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第85章 一番近くで
「今夜は泊まりだね」
「はい」
遂に結婚式前日。
式場のあるホテルに宿泊した翌日に挙式の予定だ。
「スイートだよ」
入るなり部屋を見渡すけど勿論広い。
窓の外に付いたバルコニーからは海が見える。
時間は夕暮れ時だから夕日が海に反射してキラキラ綺麗だ。
「見て......綺麗だね」
「はい......すごく綺麗......」
言葉をあまり交わすこともなくて綺麗な夕日に......その横顔に見惚れた。
「日が沈んじゃったね......」
その後はホテル内のレストランで夕食を食べてから、明かりの灯るウッドデッキで夜風に吹かれた。
「ご飯も美味しかったしゆったり出来て幸せですね......」
みょうじさんも嬉しそうだし良かった。
「そうだね......寒くない?」
本当なら隣に座る彼女を抱き寄せたいけど......あらかじめ借りておいたブランケットを小さな身体にかける。
「ありがとうございます」
それを羽織ると幸せそうな彼女。
本当に可愛い。
今この場所に二人でいられる。
それは彼女が俺と結婚してくれるということだ。
その事実に心から安心した。
「あの......一緒に入りませんか?」
「俺は大丈夫だよ。みょうじさんは風邪引かないようにね」
明日もドレスだし薄着だから。
「はい......ありがとうございます」
そうして夜は更けていった。
「お風呂先に入っておいで」
みょうじさんをそう促したけど断られてしまった。
ホテルにはもちろん部屋風呂もあるけど温泉があって貸切になっている。
早く出てあげないとみょうじさんが風邪引いたらどうしよう。
そう思っていると
ーーガラガラッ
扉......開いた?
「みょうじさん!?」
そこに立っていたのは彼女だった。