【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第7章 魅惑の浅葱色
急いで行ってこよう。
他に何か必要な物あるかな?
そう思いながら玄関のドアに手をかけると、
ーーガチャッ
勝手に開いた!?
「きゃっ!」
バランスを崩して、顔から転びそうになるのを支える腕。
「おまえは......本当危なっかしいな」
「剛士くん!?」
なんで、剛士くんが......。
「百太郎に、渡しててくれ」
ぶっきらぼうに押し付けられたのは、白いビニール袋。
「あと、落ち着いたらまた練習付き合えよ?」
「は、はい!」
彼は踵を返して、すぐに帰って行ってしまった。
なんだったんだろう。
「やっぱり危ないから俺も一緒に行っていい?」
後ろから声をかけてくれたのは増長さん。
「あの、これ......剛士くんが百くんにって」
「えっ、剛士が来たの?」
百くんが袋から取り出すと、それは湿布だった。
本当に不器用だな......。
思わず口元が緩む。
百くんと帝人さんは、慌てて部屋を出て行った。
全員が沖田役を出来たらいいのに......。
「剛士くんって分かりにくいけど、優しいですよね。あの睨み顔も慣れたら可愛いですし!」
睨み顔......思い出したら笑っちゃう。
慌てて、緩む頬を抑えた。
「なまえチャンって金さんと仲良いよね?」
「金城と対等に渡り合えるお前はすごいと思うぞ」
「からかうの楽しいですよ。いつもその倍はからかわれてますけど」
そう言って笑うと、皆さんも優しく笑ってくれた。