【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第79章 抑えきれないこの想い
「おはようございます」
「おはよう」
挨拶は至って普通だし、連絡とかも普通だよね?
「おはよう、なまえ」
「北門さん、おはようございます」
声をかけてくれた北門さんと話しながら、増長さんの様子をバレないように「カズがどうかしたの?」
「ええっ!?」
にっこり笑顔の北門さんは、気付いている?
「なまえから、そんなに熱烈な視線を送られるなんて......妬けちゃうな」
声が大きいです!
「あああ!北門さん、私......ちょっとお話したいことが!」
「うん、何かな?」
天然王子の腕を掴むと一目散に部屋を飛び出した。
「どうしたの?」
「私......増長さんのこと見てました?」
「うん、そうだね。物凄く見てたね」
にっこり笑顔で言われると余計に恥ずかしくなる。
「逆なら特に気にしないんだけど......」
顎に手を当てて悩む姿も絵にな......えっ?
「カズがなまえを見てるのなんて、いつものことだからね」
「ええっ!?何の話ですか?」
「なまえは気付いてなかったの?」
「はい。それが事実だとすれば、全く」
北門さんはぽかんとすると、笑いだした。
「ははっ、カズはねなまえのことをよく見てるよ。例えば健十のスキンシップが大胆だったりしたら、すぐに助けにくるよね?」
「はい」
確かにいつもタイミングが絶妙なんだよね。
「まぁ、それは......最近始まったことじゃないんだけど」
「え?」
「なまえ、トモ。どうしたの?」
こちらに歩いて来たのは愛染さん。
「ああ、今ね......」
北門さんが経緯を的確に話してくれる。
こういう所は全く天然じゃない......しっかり者だよね。
「ははっ、なるほどね。面白い話を聞きたい?」
「面白い......話?」
綺麗に微笑む愛染さんに私は首を傾げた。
「これは、和南が声を出せなかった時。なまえと気まずくなってた時の話かな......」