【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第79章 抑えきれないこの想い
「え......?」
「言わないだけで思ってる。『守れない約束をするな』って。毎回『会えるかもしれない』って期待するんだ」
隣に並んだ増長さんが私の手を握ってくれて、いつもは心強く守ってくれる手。
それは今......頼りなく震えていた。
私に出来ることなんて限られていて......『頑張れ!』って想いを込めて、その手をギュッと握り返す。
「この次は『気にしてないふり』で許さない。だから、約束した時はちゃんと会いたい。でも今日は来てくれてありがとう」
『早く行って』と伝えるみたいに増長さんがそちらに手を振ると、私も慌てて頭を下げた。
「ふーん、和南が......悪い。みょうじさん弟をお願いします!」
その言葉が嬉しくて頭を上げるとしっかりと目が合った。
「ありがとうございます......幸せにします!」
タクシーに乗り込むと言われた言葉......それは衝撃的だった。
「きっと、性別が逆でも......俺は夢中だったんだろうな」
性別が逆......?
「ええっ!増長さんが女の人......!?絶対美人......この世のものとは思えない程の美人......」
ちょっと?
いや、大分想像してしまった。
絶対に清楚系美人だよ!
好みのタイプ!
思わずガッツポーズをしてしまった。
「何してるの?」
「え?いや、清楚系美人が好きなので興奮しました」
「ふふっ、なに言ってるの?」
少しの間見つめ合って沈黙になる。
その距離はなんだか近いような気がするけど。
「みょうじさん」
「はい......」
バッグを掴むと慌てて顔を隠した。
顔、近いーー!
「可愛い顔をよく見せて......」
優しく両手を掴まれたけどここは車内だよ?
「なんて幸せな拷問......いや辱め?」
目だけ出すと吹き出された。
「ふふっ、何なの......それ?」
「だって......」
「このまま連れ去っていい?戻りたくなくなっちゃった......」
ぽすっと膝の上に彼の頭が乗ると顔と顔との距離が近づく。
そのまま唇が触れた。
「ふふっ、見えてないよ。本当にありがとう......大好き」
囁かれた言葉に私の顔は燃えるように熱かった。