【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第79章 抑えきれないこの想い
駅に到着すると同時に走り出して、色んな場所を駆け回る。
一目でも会えたらいいけど......。
「兄さん!」
増長さんの声が響いて、一人の男性が立ち止まった。
あの人......?
「和南?」
雰囲気は似てるから兄弟と言われたら納得だ。
髪の色は黒。
増長さんより髪は短くて瞳の色は同じ綺麗な色。
言うまでもなく整った顔を......まぁ増長さんの血縁者だから当然だよね。
じゃなくて......少し離れたところからその様子を見守る。
「俺急ぐから。またな」
彼は言葉を紡ぐのを拒否するように踵を返した。
増長さんはその背中を見送ってーー
「ちょっと、待ってください!」
予想以上に大きな声が出た。
自分でもびっくりして同様に増長さんも驚いてるみたいだけど。
「はじめまして」
近くで見るお兄様は......圧倒される雰囲気があった。
でもーー
「初めまして。彼の婚約者のみょうじ なまえと......いや、時間が無いそうなので早速本題に入らせていただきます」
突然の私の登場にお兄様も驚いているようだ。
「大変失礼だと分かった上で言わせていただきたいのですが、増長さんを傷つけないでください。お二人のことを何も知らない私が、こんなことを言うのはおかしいことは分かってます。
でも、期待するんです。彼は『お兄さんに会える』って、何度か約束を反故にされても......毎回、期待して傷つくんです!」
こんなのおかしい。
守れない約束は相手を傷つけるだけなのに......。
「和南の兄の増長希充です。和南はそんなこと思ってないよ。一度も言われたことないし......」
あまり気にしていない様子のお兄さん。
でも口に出すことだけが全てじゃない。
むしろ増長さんは自分の気持ちを隠してることの方が多いのに。
伝わらないのが悔しい......。
私が口を出すのはやっぱり間違い「思ってるよ」