【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第78章 今の僕で
「お気に召してもらえた?」
耳元で聞こえた声に、綺麗な赤い薔薇。
「すごい......綺麗......」
「108本、用意したよ」
「でも......どうして?」
「山下くんに言ったことは本当。前に言ってたお願いは、もう一度......ちゃんとプロポーズをさせてほしいんだ。今の俺からみょうじさんに」
現状を理解するのに、時間がかかりそうだ。
えっと......。
「よくしてもらいすぎです!」
やっと、声が出た。
「そんなことないよ。これから結婚式の準備を始めようっていう告白?」
「本当に、私でいいんですか......?」
「勿論だよ。俺の中に他の選択肢なんて無い」
優しく微笑む増長さんに胸がいっぱいになって、喉は焼けるように熱い。
「ありがとうございます。今の気持ちを......私の語彙力では言い表せません。幸せです。本当にすっごく幸せです!」
鼻がツンとして、泣きそう。
「ふふっ、良かった。誰より大切にするし、絶対に幸せにする。誓うよ......」
涙を指で拭ってくれた増長さんは、変装してなかった。
でも暗くても、パーク内に照明はたくさんある。
「へ、変装......!さっきまでしてたのに」
「プロポーズするなら、ありのままの俺でしたいから」
そう言うと木箱を渡される。
「開けてみて」
言われるがままに開けてみると、
「靴......」
その中にはガラスの靴が入っていた。
それを持つと跪かれてーー
「みょうじ なまえさん。これからもずっと、俺だけのお姫様でいてくれますか?」
彼の手には右足用のガラスの靴。
「受け取ってくれるなら、一生離しませんけど、どうする?」
見上げる瞳を見つめ返した。
そんなの......ギリギリで止まっていたものが堪えきれずに溢れる。
「っ......私の方が一生離しません......ずっと、私だけの王子様で居てください」
それを受け取った私は、泣き笑いの表情だろう。
人目なんて気にしてる余裕はなくて、増長さんに抱きついた。
「写真撮ろうよ」
ぽんっと頭に何かを乗せられる。
「えっ......?」
「はい、撮るよ?」
頬がくっつくと、シャッター音が聞こえた。
「帰ろうか?また、一緒に来ようね」
「はい!」