【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第78章 今の僕で
時は退社時間ちょうど。
これが終わったら今日は終わりかな?
楽しみに取って置いたプリンが冷蔵庫にある。
もう頭の中はすっかりプリンで埋め尽くされて......。
「これはどうやればいいですか?」
「それは、このソフトを開いて......」
隣のデスクに座るのは例の山下くん。
真剣にキーボードを叩く姿はとても可愛い。
弟がいたらこんな感じなのかな?
そんな中、後ろから優しく肩を叩かれた。
「二人ともお疲れさま」
大好きな声ーー
「増長さん、お疲れさまです」
彼の笑顔を見ると残りの仕事も頑張れそうだ。
でも、どうして来てくれたのかな?
「お疲れさまです。二人は仲が良いですよね」
仲が良いのは婚約者だからなんだけど、元MimiがA&Rしているなんて思わないだろうし山下くんは気付いていないと思う。
あの公演後間もなく、私はハイエッジを退所した。
今思えば......長い夢を見ていたみたい。
でも今も、彼らの側で夢を見させてもらってる。
彼らが側に居てくれるから、全てが夢じゃなかったって分かる。
「そうだね。みょうじさんは俺の自慢のA&Rだから」
「え?ありがとうございます」
つばさちゃんの方が出来は良いと思うんだけど。
そう話しても謙虚だと返されるだけだ。
「確かに頑張ってますよね。ところで......ご飯の誘いはいつ受けてくれるんですか?」
山下くんがさり気なく爆弾発言をしてくる。
確かに何度か誘われていた。なにかと理由をつけて断っているけど、いつまで通用するんだろう。何人かでご飯になら、行ったことあるんだけど。
「増長さんモテますよね?どうすれば彼女に誘いを受けてもらえますか?」
「いや、モテないけど......それは先輩として誘ってるの?」
モテるけどやっぱり気づいてないんだ。勿論先輩としてだよね?私には婚約者がいるし。
「女性として興味があるんですよね」
女性として興味がある?
「ええっ!?」
「こんなに可愛いのに自覚がないなんて。間違いなく社内で一番可愛いのに」
ちょっと待って。
「しー、そんなことないから!」
人差し指を口元に当てると注意した。周りに人が居るのに声が大きいよ。
「そうだね。失礼だよ」
「ですよね!増長さん」
見上げれば綺麗な瞳と視線が絡む。