【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第78章 今の僕で
「あのさ、何かおかしくない?」
愛染さんの指差す先は増長さん。
「何のこと?」
「和南は記憶が無いんだよな?」
「うん。それが、どうかしたの?」
「いや......舞台の時もそうだったけど、悪化してない?」
私も全く同じ意見で、隙を見て立ち上がった。
「座って......?」
「はい......」
その証拠に......私は彼の膝の間。
「だって......みょうじさんは危なっかしいから」
「え?そんなことないですよ」
「うーん、とにかく俺の側に居てほしいな」
「え?」
「山下くん......随分懐かれてるね」
「山下くん......?」
山下くん......山下 優くんは、数週間前に私が指導を任された新人A&Rだ。
笑顔の可愛い、THE弟キャラという感じの男の子。
「彼は、みょうじさんにあんな事やこんな事を教えて貰えるんだ」
「なんか、言い方が......」
あんな事や、こんな事......?
「ふふっ、何を想像したの?」
気づけば変な想像をしてて......今の増長さんに限ってそれはないか。
でも顔の熱はまだ引かなかったーー。