【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第78章 今の僕で
「みょうじさんの可愛いさはこの世で一番だから」
そうそう!って......?
煽っていくスタイル!?
「こんなに可愛い人は今まで見たことないよ」
ちょっと、二人とも......落ち着いてほしい。
「なんだか......告白みたいですね?」
「山下くん、失礼だから!ね?」
向かい合わせに座る彼の肩を掴んだ。
あまり余計なことを言わないでくれると、助かるんだけど。
「でも、なまえさんは婚約者がいますよね?」
「そうだね」
「遠距離なんですよね?いつ結婚する予定なんですか?」
詮索されないようにそういうことにしてるんだけど、やたら突っ込んでくるな......。
「どうかな?」
「俺がなまえさんの婚約相手なら、すぐに結婚式の準備を進めますけどね」
「そ、そうなの?」
「当たり前じゃないですか。結構本気なんですけど」
一応......私達は婚約者だ。でも、記憶が戻らないまま『結婚』は無理だよね?増長さんの不安な部分が大きいと思うから。
とにかく、この空気をなんとかしないと!
「増長さんはどう思いますか?」
「アイドルにそういうこと聞くのは、だめじゃないかな?山下くん、増長さんも忙しいから......」
立ち去りやすい状況を作ったつもりだけど、増長さんにその気はないみたい。
でも、微笑んでくれて......伝わったかな?
「これからみょうじさんは、結婚式の準備に入るよね?式は彼女の誕生日に挙げる予定だよ」
『えっ、なんの話ですか?』
じゃなくて、
「あはは〜増長さんには話してましたよね?」
でも、一体なんの話だろう。脳内は『?』だらけだけど、話を合わせないと。
「本当に増長さんって、なまえさんのことに詳しいんですね。好きなんですか?」
山下くんの口を両手で塞いだ。
私は彼を急かしたくない。
「増長さんは優しいから......許してくれてるだけだからね?失礼だよ?はい、作業に戻って」
私の威圧感のある笑顔に、彼はやっと作業に戻る。
本当に怖いものナシだな......。
「すみません。増長さんは行ってください」