【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第76章 成功の秘訣、刻みたい熱
「俺に貸して」
近づいて来た増長さんはコントローラーを握ると、私を向かい合わせに座らせた。
異質だけど私は画面を背にして、彼と向かい合っている状態だ。
「どうやって撮るの?」
「ここを押して......ここ!」
キャーー!!
突然、背後から悲鳴が聞こえる。
「いやあああ!!」
もう無理!
私が悪かった!!
「ぷっ、はは......」
増長さんの声が至近距離から聞こえて、見上げれば首元に抱きついていた。
「ごめんなさい!」
慌てて離れようとすれば力強く抱き寄せられて、更にグッと距離が近づいた。
近い、顔が熱い......。
「はい、これでいいかな?」
優しい声に振り返ると、幽霊は居なくなったみたいだ。
そういえば......前に『幽霊からでも守ってあげる』って。
「本当に......守ってくれた......」
きっと、私はまぬけな顔をしていたと思う。
「ふふっ、なんのこと?ごめんね。怖がりって知らなくて」
「いえ、ありがとうございます。本当に助かりました!」
「どういたしまして」
最後の夜も、楽しく更けていった。