【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第76章 成功の秘訣、刻みたい熱
こうして私たちの役作りが始まった。
基本的にはMooNsとキタコレの仕事はつばさちゃんが、THRIVEとキラキンの仕事は私が付き添うこととなった。
A&Rとしても最低限の会話だけ。
同時に一ヶ月だけTHRIVEの家に居候することにした。
めまぐるしい日々。
あの日からものすごいスピードで時間が流れていった。
A&Rの仕事はつばさちゃんと夜叉丸さんがフォローしてくれて、遂に本番まであと少し。
彼らと一緒に暮らして本当に良かった。
悠太くんにダンスを教えてもらえるし、演技は愛染さんに見てもらって、剛士くんと歌を合わせたり。
どれも見違える程に上達したと思う。
ーーピンポーン
夜中の20時。
インターホンが鳴った。
来たのかな?
こっそりそちらを覗き見る。
「はい......って和南。また来たの?」
「だって......心配だし......」
増長さんだ!
飛び付きたいけど......もう少しの我慢。
今日なんて無意識に手を握ろうとしちゃった。
あんまり近づいたらダメだよね?
「なまえ」
愛染さんがこちらに気付いて声をかけてくれる。
手招き......?
言われたままに駆け寄ると首元にかけたタオルを掴まれた。
そのまま優しく髪の毛を拭いてくれる。
「ちゃんと拭かないと風邪ひくよ」
こんなお兄ちゃんが居たら自慢のお兄ちゃんだろうな。
まじまじと見上げた。
やっぱりかっこいい......。
「私のお兄ちゃんよりずっと素敵」
私達は共同生活をする中で敬語も使わないようにしていた。
「そう?」
「うん、素敵!!増長さんこんばんは」
「こんばんは」
あくまでサラリと挨拶を交わした。
あまり見るのもダメ......触りたくなるかもしれない。
思いが再び通じ合った日から私の欲望は加速していく。
少し怖い。
増長さんを傷つけたらどうしよう?
記憶がないのにそんなにグイグイ来られたら嫌だよね?
ーードタドタドタドタ
「捕まえた!」
「へっ!?」
突然の重みにバランスを崩しかけたけど何とか踏みとどまる。
「ふふっ、悠太くん危ないよ」
「ちぇっ、あんまり驚いてない?」
「ううん。驚かせるのが上手だね!」
クスクス笑い合う私達。
賑やかなこの生活も楽しかったな。