第7章 魅惑の浅葱色

「"菊一文字 則宗"は存在しない刀です。

菊一文字は存在する刀で則宗は刀工として存在していますが、彼の作品に菊紋に一文字の刀は残されていません。沖田ファンなら賛否両論分かれるお話です。

もし、あの鍔が本物だとすれば菊一文字の鍔でしょうか？それなら、妖刀に使われていた鍔ですね。
すなわち握った人の人格が変わります。非現実的な話ですが」


その言葉に、空気が張り詰めるのが分かる。


「百くん剛士くん帝人さん、くれぐれも怪我しないようにしてください」


三人は真剣な顔で頷いてくれた。

本当に、何事もなければいいけど......。