【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第73章 変わったもの、変わらないもの
「ミイラ取りがミイラになるな」
素早く引き剥がされた帝人さん。
さすが、百くん。
「暉、お前も帰るぞ」
龍さんが暉くんを捕まえた。
さすが、龍さん。
「なまえ、お疲れ」
「お疲れ。迷惑かけたな」
「百くん、龍さん、お疲れさまです!」
「俺はなまえチャンの撮影を見て帰るって決めたんだよ!」
暉くんが駄々を捏ねる姿に思わず口元が緩んだ。
なんだか、可愛い。
「確かによく似合ってる。綺麗だ」
そう言ってこちらをまじまじと見る百くん。
百くんの方が......。
「百くんが綺麗......動悸が......」
「音済くんはクールだけど、みょうじさんの扱いが上手なのね......」
「上手とかじゃないです!百くんは計算とかしてませんから!天然の美しさと、しばらく前から甘さも兼ね備えて......もう手に負えませんね......」
「なまえ、美しいはダメだ」
叱るような口調にそちらを見上げる。
やっぱり......。
「美し「なまえ?」
「みょうじさんは音済くんが好きなのね」
「え?だって、こんなに美しい「なまえ?」
そういえば、増長さんは一緒じゃないのかな?
仕事に私情は持ち込めないけど、彼の為にも出来るだけ顔を合わせる機会は少ない方がいいと思う。
もう少しでこの日々は終わるわけだし......。
彼から私への印象は最悪で良い。むしろ彼から避けてくれればいいのに。私から素っ気なくすることは無理だ。結局は気持ちって隠せないし、好きな人を意図的に傷つけるなんてしたくない。
「今日はキスハグの撮影だったんですよね?」
「そうそう!だから、なまえちゃんが撮影するの知ってて......」
増長さんがこの場に来ないことを願おう!
その為にも彼らを早く帰さないといけない。
「遂に、本命がやってきたわ」