唐揚げは好きです!キョンシー揚げはいりません!!!!
第2章 食卓(短編)
「リィ〜何処だぁ〜?」
さっき、一人でブツブツと言っておったワシの弟子を探して
台所を覗きに来たが…弟子の姿は見えず
チャ、チャーシューの残りを探しておる訳では決して無い!!!!
絶対そうでは無いとは言い切れんが…ワシとて人の子…欲もある
例えば、ワシの弟子リィ
あー、何だ…芋娘感は否めんが…素朴で素直な良い娘だ…出来れば…
こんなワシの弟子におさまらず
良い男と巡り会い、結婚し、子供を作って幸せになって貰いたい…が…
何故かな
それを良しと出来ぬまま
あれからもう何年も経つ
あの子も既に良い年頃なのに
踏ん切りがつかないままだ…
「はぁー」
深いため息と共に壁に身体を預けたところで
大きな桶を手に抱えながらあっちへヨロヨロ、こっちへヨロヨロとしている小さな姿が見えた
思わず吹き出しそうになるのを堪えながら
「ほれほれ、シャキッとしろ!腰を低くしてもっと下から抱えんか、転ぶぞ」
弟子ごと後ろから支えて密着してやれば
ー!!!!!ー
驚いて桶を落としそうにしておる
全く!まだまだ修行が足りんようだな…この程度で驚きおって
ーきゅ、急に出て来ないでくださいよ!!!ビックリしたぁ…あっあの…先生?ー
「何だ?」
ーそっ、そんなに、くっついてると…動けないですし…桶も重いですし…えっと…その〜ー
(どっ、どうしよう恥ずかしいから離れて下さいとかとても言えない!!!)
「おっ、おぉ…すまん、すまん(何じゃコイツ照れおって…あっ、あぁ…なるほどな)西瓜か…どれ、ワシが切ろう」
ーえっ、でもー
「…さっさとそのずぶ濡れの服を着替えて来なさい…風邪を引いても知らんからな」
ーあっ…ハィ…先生ありがとうございますー
全く、一体どうやればあんなにずぶ濡れに?
ひとりで何でもこなしていけそうで、面倒見が良い…
正直リィはワシの母親か?と思うこともあるが…あぁやって照れて、小さな声で礼を言われると
何とも言えぬ
何とも言えぬ、良い心地だ…あのような娘に心を翻弄されているようでは
「ワシも、まだまだかのぉ…」
ザクッ、ザクッ、ザクッ
大きな西瓜を切り分け
弟子の着替えを待つ
夏の夜風が入って来て
冷えた西瓜から甘い香りが漂っていた
end