第1章 【御幸】そんくらいの、大きなこと
ある日のB組の教室でのこと。
昼休憩でご飯も食べ終え
前園と倉持と教室で話していた時だ。
この男がつい聞いてしまった
前園「なぁ、遠藤。
お前御幸のこと好きなんとちゃうんか?」
遠藤「はっ!?////」
倉持「ゾノおまっ!!」
前園「倉持だって思うとったやろ!?
俺はもー見ててもどかしすぎんねん!!
自分らどう見ても両想いやないか!
さっさとくっつけっちゅー話やねん!!!!」
全て言ってしまった。この男はそういうやつだ。
…わかっていたが倉持は頭を抱えた。
確かにみんなが気になってるというか
もどかしく思っていた事ではある…が
倉持「そーいうのはよー周りから口出すもんじゃねーだろ。」
それはそーやけど…と前園はまだ言いたげで、
一方言われた本人は赤面真っ最中
倉持は内心、まさかこいつ周りにバレてないと
思ってたとか…ねぇよな?と若干引き気味である。
口を開かない遠藤を見かねて
もう一言フォローした。
倉持「…お前らがお互いの想いに気づかねぇ程
鈍感なわけねぇ…って思ってる。
だからなんか考えの一致とかで約束なりしてんだろうと
勝手に予測してるぜ、俺は。」
前園「なんや、そうなんか?」
ずっと赤面で固まってた遠藤が
やっと口を開いた
遠藤「約束はしてないし、直接伝えた事も
言われた事も、ないよ。」
倉持はガクッと右肩が落ち、
前園はなんやねん!!せやったらなぁ!と言いかけた時
遠藤「私だって両想いかもって思う時はある。
でも絶対告白はしないし、御幸も多分同じだよ」
察しのいい倉持にもこればかりは分からなかったようで
倉持「なんだそりゃ」
と漏らした。