愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】
第4章 船長の気まぐれ
「船長さんは二度も私を助けてくれたんですよ?それに今も治療してくれて、優しい。船長さんのいう海賊ならば、"あの時"に助けたりしないですよね?それに、襲う気ならとっくに襲ってると思います…一般的に知られている海賊とは全然違いますし。だから信用してもいいかなって思います。」
そう言って満面の笑みを向けられたローは、一瞬手を止めた。
「…フッ…そうかよ、信用されてるなら、裏切れねェな。」
そう、彼女の傷を見つめながら、ボソッと呟いた。
(あの時の笑顔…また見れたか…それにしてもなんて笑顔だよ…そんな顔されたら、優しくするしかねェだろ…)
「…どうしました?」
リンは手を止めているローに話しかける。
「…フッ…なんでもねェ。」
少し口角を上げながら、再び手を動かし始めるロー。
バラされた身体がくっつけられたリンは、一週間の安静を言い渡された。
「そういや、ここには女の部屋はない。この船でオレの部屋が一番広いんだが。船を降りるまではオレの部屋で過ごせ。たった一週間だ、そのくらいなら使わせてやる。」
一週間しかいないだろう女のために、わざわざ部屋を作る必要はないと考えたローは、彼女にとんでもない提案をしたのだった。
「え…ここでいいです…」
いくら信用できそうでも、さすがに昨日今日知り合ったばかりの人と、同じ部屋で過ごすのは勘弁して欲しい。
「ほぅ…お前、診察室のベッド占領するのか。重症者はお前のせいで助からないかもしれねェぞ?」
「それは……」
固まっている彼女を見ながら、ローは更に続けた。
「嫌なら、男部屋いけよ。オレは構わねェが?それとも、リビングで寝起きしようってんじゃねェよな?」
治療して、彼女に何があったかわかったから、男部屋なんか使わせたら、彼女がもっと傷つくだろう。
血気盛んで性欲旺盛のアイツらだ、何しでかすかわからない。
せめて、アイツらからは守ってやろう、信用されているみたいだし
、とローは思い、自分の部屋を使えと提案したのだ。
一方、リンの方はというと……
男部屋なんて怖くて行けない!あんなことあったばかりなのに。
リビングだって何かあったら……
それなら、この船長の部屋で過ごす方がまだいい、との結論に至った。
「わ、わかりました…船長さんの部屋使わせて貰います…」