第22章 制御不能 ※
しばらくして身体をゆっくり離すと、はにかみながら見つめてくるエマ。
リヴァイは乱れた髪を梳かしながら、その愛しい頬にキスをした。
「兵長…」
「?」
何か言いたげな顔で名前を呼ぶエマ。
リヴァイは髪に指を滑らせながらどうした?というような目を向けた。
「あ、あの………きもち…良かったですか…?」
不安げな顔して何を言い出すかと思えば、気持ちよくさせることが出来たのか確認したいのか。
なんといじらしい奴なんだ。
リヴァイは心の中でニヤリとしながら、表では真顔で考えるフリをした。
答えなんか決まってる。
だがそこでリヴァイの悪い癖が出た。もう少し苛めてみたくなってしまったのだ。
すると予想した通り、みるみるうちに不安な表情が色濃くなっていくエマ。
なかなか続きを言わないリヴァイに嫌な予感が駆け巡っているのだろうか、目が潤み始めてしまった。
「そうだな…お前を狂わせてやりたいと思っちまうほど気持ち良かった。上出来だ。」
少し焦らした後、指に柔らかな黒髪を絡ませながら甘い声で囁いてやると、潤んだ目を見開いた後安心したように表情を緩める。
「もう…何も言ってくれないから、失敗しちゃったのかと思いました…」
「馬鹿言え、失敗してたらその後あんな風に抱いたりしねぇよ。そもそもお前になら何されても失敗だなんて思わないけどな。」
恥ずかしそうにぎこちなく動いても、喘ぎ悶えながら激しく乱れても、エマなら全て自分を刺激する要因にしかならない。
「良かったぁ…」
エマはへにゃりと笑ってリヴァイに抱きつくと、そのままドサリとリヴァイを押し倒してしまった。
「わっ!すすすみません!」
「馬鹿、わざとだ。今日はさすがに疲れただろ。」
手をついて退こうとした身体を引き寄せられ、横向きに寝かせられた。
リヴァイの腕に頭を乗せ、胸に抱かれる。
優しい心音が伝わってきて、体の力がすぅーっと抜けていくような心地良さに包まれた。
エマはそのまま頭を預け、心地良い心音に包まれながら目を閉じた。
「リヴァイ兵長…大好きです…」
リヴァイは安心したように呟くエマの額にそっとキスを落とし、その呼吸が寝息に変わるまで、優しく抱きしめ続けていた。