第22章 制御不能 ※
心の中を見透かされたような発言に、力なく枕に預けていた顔を上げ振り向くと、上から見下ろす熱を帯びた視線と絡まる。
エマは素直にコクコクと頷いた。
背中と下半身の際どいところを執拗に愛撫し続けながらも、なかなかその先へ進もうとしないリヴァイに、焦らされたエマの身体はもうその先が欲しくて堪らなくなっていたのだ。
まるでさっき媚薬を飲まされた時のように快感だけを貪欲に欲しがる身体。
今度は薬ではなく愛する人の手によって、エマは快楽を貪りたいだけの雌へと化してしまったのだ。
「どこを触って欲しいかちゃんと言えるか?」
優しい声が背後から耳の中へ入り込んでくる。
「……っ…へいちょうっ…」
縋るような目を向けるが、リヴァイはその目を見つめたまま、また下着の縁に指をかけて割れ目のそばをなぞるだけ。
「ぁあ……も、もうっ…はやくぅ…」
「はっきり言ってくれないと分からねぇな。」
意地悪なリヴァイの愛撫は続く。
さっきからエマ自身もよく分かるほどに下着はぐしょぐしょに濡れているが、きっと自分が言うまで肝心な部分には触れてはくれないのだろう。
リヴァイがこうなると、自分が言わない限り先に進んでくれないのは、前回焦らされた時に身をもって学習している。
「ここ…触ってください……」
エマは下着の奥の秘めた部分を指さし、羞恥心でいっぱいになりながらも一生懸命に訴えた。
しかし返ってきたのはさらに羞恥を煽るような言葉。
「はっきりと“言葉”で教えてくれよ。俺はお前の口から聞かなきゃ分からねぇ。」
「そ、そんな…ひゃっ!」
また背筋を舐められる。
ピチャピチャと舐める音と、甘い声と荒い呼吸音が部屋にこだまする。
「へいちょっ…お願い……」
「言えないのか?」
「い…いえませ…あぁんっ」
「ならこのままだな。」
なんて意地悪な人なんだろう。
私の恥ずかしがる姿を見て愉しんでいるかのような声だ。
いつも主導権を握るのは兵長ばかりで、私の心も身体も、いつも兵長の意のままにされる。
悔しい…悔しいけど…
でも、こんな状況に突き抜けるほど昂奮してしまっているのは、他ならぬ私なんだ。