• テキストサイズ

【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第10章 翻弄される




翌朝一


エマは後ろで結い上げた髪を揺らしながら、団長室へ向かっていた。



改めて思えば、エルヴィンとちゃんと仕事をするのは初めてだ。

一兵団の団長を務める人間と仕事をする、ということを意識すると、やはり少なからず緊張してしまう。


エマは団長室の前で一度深呼吸をし、ノックした。




「エマです!」

「あぁ、入ってくれ。」

中から聞こえる落ち着いた声に、背筋を伸ばして入室した。



「おはようございます。今日からよろしくお願いします!」

「おはよう、エマ。」


エルヴィンはいつも通りの柔らかな視線をエマへ向けて挨拶するが、座っている机の上には書類の山がみっちりである。


どうやら本当に多忙なようだ。



「せっかく君と二人なれたんだし、ゆっくり朝のティータイムと行きたいところなんだが、早速仕事を頼んでもいいかい?」

エルヴィンはズラリと並ぶ紙の山に苦笑しながら言った。


「もちろんです!」

明るく返事をすると、エルヴィンは安堵の表情を見せ立ち上がった。




「臨時の手伝いだから、とりあえず席はそこの応接ソファでお願いしたい。やってもらいたいことは、これと同じ文書をこれだけの枚数複製して欲しいんだ。」


ソファに座ったエマの前にドサッと置かれる紙の束。
これは…かなりの量である。



「いつもは印刷機で複製してるんだが、実は壊れてしまってね。必要な部品が届かなくてまだ直っていないんだ…こんな仕事を頼んですまない。」

エルヴィンは申し訳なさそうに眉を下げる。


「これ、いつまでに終わらせればいいですか?」

エマはそんなエルヴィンを見上げて尋ねた。



「明日の夜までにお願いしたい。」

「…あと丸二日はあるってことですね。分かりました!やってみます!」

「エマ、ありがとう。本当ならもう一人か二人増援を頼みたいんだが、兵士たちも忙しくて、なかなか…」

「団長、大丈夫です。私にお任せ下さい!」


相変わらず申し訳なさそうなエルヴィンに対して、エマは動揺する素振りも見せずハキハキと返事をすると、さっそく書類を手に取った。


/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp