第36章 悩める父親
雅紀side
紙芝居の日から数日後
松本さんと約束した話し合いの形を
どんな風に行うかな? って悩んだんだよね
潤『るなちゃんも話したい事があるみたいで。一緒に良いですか?』
って
俺の指導係の夏輝さんに相談した結果さ。人見知りなるなちゃんは、自宅からだったら余り緊張しないんじゃないかな?
という事で、るなちゃん家で松本さんと二人、俺は夏輝さんと二人病院の応接室から話し合いをする事にしたんだ
潤「本日はありがとうございます」
いつも丁寧な松本さん。るなちゃんを交えて話す前に『個人的に話したい事が』……って何だろうって思ってたんだけど
潤「相葉先生、子供達の成長は早いですね」
雅紀「はい?」
ごめんなさい。だけど……意味が分からなくて
変な声出しちゃったんだ
潤「翔と、るなちゃんに和也くんはどこかお互いにお互いを思いやってか、いつも3人で居たんですよ。 それなのに紙芝居が終わった後、和也くんは『 これからるなちゃん家に行って来ます』って言ったんです。翔は紙芝居の前に、大野くんと二人でリモートで話をしてたみたいですけど…… 私が応接室に入ろうとした時に、先に来ていた大野くんのもの凄い大爆笑が聞こえてきたんですよね……あぁ、るなちゃんの想いが涼也くんに届いたんだなっていう感慨と、翔の心の中に 風を吹き込んで来た男性がいるのか? っていう喪失感と…… 色々な想いに駆られてしまってね……」
雅紀「 ……」
自嘲気味に仰られた松本さんに、何て返して良いか分からなくて俺はさ。情けない事に何も言って差し上げられなかったんだよね
夏輝「 お父様として、叔父様としてはお寂しいでしょうけど…… 辛い思いをして来た彼女達にとっては…… 何か 運命が良い方向に変わるキッカケになるかもですね?」
さすが。夏輝さん…… フォローして下さって
潤「そうですね。大切な二人の娘達の幸せを……親として心から願いたいですから……」
るな「娘?」