第35章 彼女達の不安の訳
翔「るなちゃん何かあったの?」
るな『翔ちゃんは? 何かあった?』
翔.るな
小さい時から
『翔ちゃんとるなちゃんは双子みたいだね』
顔立ち、雰囲気……
お互いに相手に、何かがあったかな?
って……言わなくたって分かっちゃうの
(話してみようか……)
るな『で、カズくんに『俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ……』って言われたの』
翔「……るなちゃん! 良かったね!」
子供の頃からカズくんが好きなるなちゃん……
(何が不安なの?)
るな『あの……『俺が守りたいのは、るなちゃん。優しくして欲しいのも、優しくしてあげたいのも、るなちゃんだから』って……けど……ス、スキって言われてないもん』
翔「るなちゃんを守りたい。優しくしたい。優しくして。スキとしか聞こえないから大丈夫だよ!」
私がそう言ったらるなちゃん少しだけ安心したみたい
(カズくんたら大事な事言わないなんて……)
──
翔「初めてみんなの部屋で『初めまして。凄く寂しい曲だね』って言われた時……も、2回目に『犬の絵を描いてみて下さいませんか?』『はい。描けたよ。ワンちゃん』『上手ね』ってと初めて会話を交わした時も……」
(優しい人なのね)
翔「紙芝居の前にリモートで画面越しにね、私ね……前髪を切りすぎちゃったのをクイックイッって引っ張ってたら『翔ちゃん? 何してんの?』って。大笑いしたの」
とか
翔「オオノサトシさんは《大野智》さんて書くんですって」
とか
お茶目な翔ちゃんと大野さんのエピソード……可愛い過ぎるよ
『オイラは、ライターの仕事をしています。相葉ちゃ……相葉先生よりお話を頂きました。お父さんの松本さん、二宮くん、るなちゃんの共通の思い。介護施設で起きた事をうやむやにしたく無いという思いに。翔ちゃんの思いに……協力したいと思いました』
翔ちゃんを救いだしてあげて下さい……
翔「『あぁ抱きしめてあげたいよ……』って……」
るな「凄い真っ直ぐな思いだね『あぁ抱きしめてあげたいよ……』それってスキって事だよ。大丈夫!」
端から見るとスキって分かるけど……スキがほしかったよね?
──
るな「翔ちゃん他には何があったの?」