第34章 あぁ抱きしめてあげたい…
智「 あぁ抱きしめてあげたいよ……」
呟いたオイラに、再び両手で 顔を覆って 静かに涙していた翔ちゃんが可哀想に……
またピクって肩を揺らして…… ゆっくりと顔から両手を離して
オイラを見つめてくれたから
真っ赤な瞳……瞼だって腫れぼったいのに……
(可愛い……)
智「 翔ちゃん……」
思わずオイラ、画面越しの翔ちゃんに右手を伸ばしてた
翔ちゃんの左頬に触れてみる……
翔ちゃんは両手を画面向かって伸ばすと、オイラの右手を両手で 包み込んでくれて……
あぁ、オイラ翔ちゃんが好きだ
あぁ抱きしめてあげたい……好きだよ……
──
翔side
大野さんの事を考えていた
でも……私は……
トゥルルル
涙が溢れ出しそうなタイミングで鳴った携帯……
翔「るなちゃん……」
るな『翔ちゃん……』
るなちゃん……電話くれたの?
悲しい涙が嬉し涙に変わったの……