第33章 正義はどこにあるんですかね?
智「それこそが捻じ曲げられた真実の証じゃん」
オイラが呟くと、両手で 顔を覆って静かに涙していた翔ちゃんがピクって肩を揺らして
智『可哀想にね。来栖さんは助け出された時、気を失っていたんだよ。それは翔ちゃんも。必死で意識朦朧となりながら助けたんだから。水の中で息をするのも不得意な翔ちゃんなんだ。苦しくて…… オマケにお湯だって飲んじゃって…… 脳に、 一瞬でも酸素が行き渡らない状態になっちゃったんだ……』
気が付いたらスガル様なの瞳で、オイラを見ていた翔ちゃん
話し始めたはいいけど、こんなショックの大きい話をしちゃって大丈夫かな? なんて逡巡していたら
翔『 教えて下さい大野さん。 今なら、みんなが話そうとしてくれた事がストンって入って来そうな気がするから……』
大きな美しい瞳に、涙を溜めながらも、 瞳には光が宿っていて……
智「病院に救急車で搬送された翔ちゃんと来栖さん。二人の状態と、二宮くんとるなちゃん、松本さんの話を聞けば、施設側の矛盾した話がさ。医療従事者の皆さんが気が付かない訳ないよね?」
警察に届けたのに
翔『 じゃあ、何で警察はパパとカズくんとるなちゃんの話を信じてくれなかったの?』
その瞬間、再び 両手で顔を覆って泣いてしまった翔ちゃん
そう。施設側の嘘の証言に加えて、 松本さんが憤りを見せていたのが
潤『翔は、来栖さんを助けようとしたんですよ? なのに警察はその事実は無かったと…… 施設側の自分達の『 ぼんやりしていないで早く助けなさい!』その声を聞いて慌てたように助け様と湯船に入って。自ら足を滑らせて溺れそうになって、意識を失ったのだ。と。 そんな愚かな証言をそっちを真実だと警察は……何故なんですかね? 正義はどこにあるんですかね?』
仰ったんだ
そして
潤『 俺も、和也くんもるなちゃんも誓ったんですよ。捻じ曲げられた真実を正してみせる! と』
智「不正義が正義に負けるわけが無いんだ 。翔ちゃん、絶対にオイラが、松本さんに、二宮くんに、るなちゃん、相葉先生も。翔ちゃんの正義を証明してみせるから!」
あぁ抱きしめてあげたいよ……