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Ruby キミの涙【Satoshi.O】

第19章 『勇気の石』


 みんなの部屋の子供達の、今か今かと。ワクワクに満ちた顔

 それを見守る相葉ちゃん、緊張してるみたいだ。今にも泣き出しそうな顔のるなちゃん。緊張感を漂わせ祈る様な顔の二宮くんと、松本さん……

 オイラも 、凄い心臓がバクバク鳴ってんの

 翔ちゃんも、 今の表現を全部含めたような複雑な顔しててさ

 何かあった時の為に……と翔ちゃんの側に付いている

 滝田『それでは、 紙芝居を始めたいと思います』

 翔ちゃんの主治医の滝田先生の合図

 翔ちゃんは、 心を落ち着ける為かな? 目を瞑って胸に両を当てて小っちゃく息を吸って、息を整えると


『勇気の石』

 少し震えた声音で、けど凛とした表情で、紙芝居読み始めたんだ……

「ヴィントと、ルーナと、ベルクの 3人の兄弟が仲良く公園で遊んでいます。 みんなをまとめる頼りになる、一番上のお兄ちゃんのヴィント。 ちょぴり恥ずかしがり屋の、心の優しい真ん中のルーナ。 ちょっぴり大人しい、まだ小っちゃな心優しいベルク。 3人の大好きな犬の、ブーリャも一緒です」


「前の日にね、 雨が降ったんです。 だからね。おっきなおっきな水たまりがいくつもあって、ヴィントも、ルーナも、ベルクも お揃いの虹色のレインコートと、 長靴を履いて、チャプチャプってかわいい音を鳴らしながら、 水たまりの上を小っちゃくポンと飛んでみたり」

 ポチャン

 ヴィント『キャハハ』

 ポチャン

 ルーナ『キャハハ』

 ポチャン

 ベルク『キャハハ』


 ヴィント『たのしいね』

 ルーナ『たのしいな』

 ベルク『たのちいね』

 ブーリャ『ワンワン』

「楽しそうに プーリャが走り回っています」

 ヴィント『ブーリャ、お水でボクたち、うまく走れないの。まって』

「お兄ちゃんの、ヴィントが 叫びました」

 ルーナ『あ!』





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