第19章 『勇気の石』
「ルーナが小さな声で『あっ』って。ブーリャはいいこです。 止まろうとしたの。ボッチャン! なんて事でしょう! 公園にある 綺麗なお庭のところにある小さなお池 。いつもはきれいな 透明なお水なの。 みんなが入ってもね、お膝の下までしかないとってもあさいお池なの……かわいそうにブーリャは……」
ベルク『ブーニャ!』
「昨日の雨で茶色くなった お水が…… たくさんになって 溢れていたの 。みんなが落っこちないようにってね 、お池の周りにあったサクが壊れていたの」
ヴィント『ベルク!』
「ベルクは大好きなブーリャをたすけようと……お池のふちに足を掛けて」
ツルっ
ボッチャン!
「足を滑らせてお池に落ちちゃったベルク」
ヴィント『ベルク! ブーリャ!』
「ヴィントは叫ぶと必死に」
ブーリャ『キャンキャン』
「怖くてキャンキャン鳴くブーリャを抱き締めてお池から助け出しました。頭からお水を被ってしまったベルク。かわいそうに怖かったのでしょうね。オメメをつむって上を向いてお池に浮かんでいるベルク。怖くて怖くてルーナは震えています。ヴィントは滑らない様にお池に入ると、必死にベルクをお池から引き上げてあげようと……なんて事でしょう。力が足りなくてベルクをお池から助けてあげられないではありませんか!」
「するとルーナもお池に入りました。二人でなんとかベルクをお池に座らせて抱き締めると」
ヴィント『ルーナぼく、たすけをよんでくる絶対にうごいちゃだめだゃよ!』
「ヴィントは、ルーナにそういうと、たすけをよびに駆け出して行きました」
ヴィント『たすけて……』
「大きな声がでないヴィント。そのとき、パパがくれた『勇気の石』を思いだしました」
パパ『困ったときに『勇気の石』にお願いしてごらん。助けてくれる石だよ』
「ヴィントは……」