第17章 微妙な関係
今日は紙芝居の日
俺は、潤さんと共に病院に向かった
『リモートで見て頂く事になります』
説明受けて、応接室に入ると大野さんがいて……直前に聞こえてきた大野さんの大爆笑
俺達に背を向けて座っている先の画面には翔ちゃん……大爆笑する程の何かがあったって事だよね?
潤さんも一瞬微妙な表情をして息を飲んで……
胸の奥がチクりとした……何だろう……大野さんと翔ちゃんの目と目で会話する感じ……
翔ちゃんと、大野さんが出逢った時から……気が付いてた……
ふと、気配を感じたのか大野さんは後ろを振り向き
智「こんにちは」
潤「こんにちは」
和也「こんにちは……」
潤さんが、大野さんの座るのソファーセットの、はす向かいの席に座ったから俺は大野さんの隣に……
ソファーに座ると
翔『カズくん?』
翔ちゃん……あ、目を潤ませてくれるの?
翔『るなちゃんは?』
和也「るなちゃんは家から紙芝居を見るから」
瞬間表情を無くしてしまった翔ちゃん……
鋭い翔ちゃんだから、るなちゃんに何かがあったって感じ取ったのかも……
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小学生の一年生の時に数人で集まって、良くある話題
『だれがすき?』
の話題
無邪気にクラスの女の子が
『るなちゃんはにのみやくんだよね?』
『イエーイ』
本人が言う前にさ……
可哀想に人見知りな、るなちゃんは恥ずかしそうにさうつ向いちゃって……
空気読めないの? 今度は翔ちゃんに
『しょうちゃんは……』
翔『わかんないのっ』
『しょうちゃんはだれがすき』
を遮ったんだ……
るなちゃんは泣き出しちゃって……悲しい表情で翔ちゃんは困った様に……
だから翔ちゃんの好きな人は聞けなかった
いつも3人でいた
翔ちゃんは、るなちゃんと一緒じゃなきゃ俺と遊ばなかった……
るなちゃんも、翔ちゃんと一緒じゃなきゃ俺と遊ばなかった……
微妙な関係……その時以来
俺の中で翔ちゃんの心の中には誰がいるの?
その気持ちがあるのを、翔ちゃんもるなちゃんも分かっていて……
微妙な関係が崩れ始めたのを俺は感じていた……
何か別の感情も芽生え始めたのも感じていた……
翔『るなちゃん……』