第16章 反則的な可愛さだよ
遂に来た、紙芝居の日
知らない人が見たら、不審に思う位にオイラは朝からテンションがおかしかったの
雅紀『子供達の体調一番考えてさ。比較的体調の安定した子供達5人にね。 みんなの部屋で紙芝居を見てもらって。10人の子供達には自室で、タブレットで見て貰う事にしたんだ。 他の子供達は体調の良い日に改めてね』
約束の時間の、1時間も前に病院に着いたオイラ。笑われたよ
応接室に通されてさ
『リモートで見て頂く事になります』
って伝えられたんだ
翔ちゃんは、別の応接室で紙芝居を読む事になっているって
相葉ちゃんは
雅紀『俺は、小児病棟の先生達と一緒にみんなの部屋の子供達ん見守るんだ』
まだ、時間があるという事で、リモートではあるけれど翔ちゃんと話をしてもいい。と主治医の滝田先生が許可して下さってさ
オイラ、 本当に感謝してマジで嬉しかったんだ
──
そして、翔ちゃんとオイラ。リモートで画面越しにさ……
画面に映った瞬間、何故か翔ちゃんは前髪をクイックイッって引っ張っててさ
智「翔ちゃん? 何してんの?」
サプライズ……
翔ちゃんには内緒にしたからね……
画面にさ、急にオイラが映ったんだもん。右手で前髪を引っ張る体勢のままフリーズしちゃった翔ちゃん
大きなまぁるい、美しい瞳をますます大きくして。今までで一番分かりやすいリアクション示してくれた翔ちゃんに
オイラは嬉しくなっちゃって
前髪から手を離して、少しうつむき加減に微かに頬を染めて……
翔『前髪を切りすぎちゃったの』
その答えが……その時の翔ちゃんが凄い可愛く見えて……
けどオイラ、なんだか急に
面白いなぁって、笑いたくなっちゃって……
智「アハハハハハ!」
っ、ヤベ
フイに笑いを引っ込めて、翔ちゃんを見ると 微かに頬を染めたまま俺を見つめていて……
翔『紙芝居見に来て下さったの?』
うん。
オイラは頷いて
翔『ありがとう』
って言ったんだ
翔ちゃん……
反則的な可愛さだよ……