第12章 それぞれの戦い④~るな~①
え? ビックリした……
食事介助の時に介助する側の都合だと思う……市の職員がお粥の上になんと……薬を上に乗せたの
思わず近くで別のお年寄りの食事介助をしていた翔ちゃんと 目を合わせてしまって
私は、櫻井るな。 介護の専門学校に二年間、同い年の従妹の櫻井翔……翔ちゃんと通い(私は7月生まれ。翔ちゃんは1月)一緒に介護施サービス会社に就職したの
会社が委託を受けた市立の介護施設に、私達は勤める事になった
-帰宅後-
翔『これはもういじめの域を超えてない?』
るな『信じられないよ』
翔『『食べなさい』ってお年寄りに言ったのよ?』
と言われても、口を開ける訳がないと思う
それで介護者が、お年寄りを怒るのはありえないでしょう?
可哀想で 見ているのも辛かった……
『アナタ達も、そのように介助しなさい』
と言われても……
同じ会社の、市の職員や、先輩の介護職員等が睨んで来たりしたのには
(それになぜ慣れてしまっているの?)
と憤りを覚えたんだ
私はなるべく初めにご飯に薬が混ざらない様に、薬だけをスプーンに乗せ口に運んで頂き、素早くお茶を飲んでもらって
その後少しでも美味しく食事をしてもらおうと…… ふと、翔ちゃんを見ると同じ様にしていた
『ねぇ、言った通りにしてくんない?』
──
体験しなければと……
翔『ご飯の上に、風邪薬を粉々にして乗せて食べようとしたの』
るな『私も……』
もうほんの一欠片も ……米粒一つに一粒の粉が乗っていても飲み込める代物ではなかった……
──