第121章 介護施設の理想と現実②
私は家で、仰向けになり両手を横に開いて、天井をじっと見つめた事がある。私の場合はだんだんと神経が眉間に集まってきて、ツンという感覚が起きて
とてもじゃないけれど 、じっとなんて無理だったのを覚えている
今はその様な施設が無いと信じたいが…
あまり動き回らない、1日の大半を横になって過ごしている人達に対しては 、何十人かを大部屋に布団をひいて…『雑魚寝』という表現が ぴったりな 状態で寝かされていて…プライバシーも何も、あったものではない。仕切りがないから、おむつを替える時に 大勢の人たちの中で…大事なところを晒されながら、オムツを替えられるという…
慣れる事…受け入れる事納得が出来なかった…
私は人への優しさを忘れないよう。その様な人間でいようと固く誓って…介護の仕事にやりがいはある。お年寄りも大好き。しかし人間関係というものは、私にとって…どうにもこうにも …克服し難い難問ばかりの課題であった…》
《体制的に、介護依頼した施設と介護サービス会社では施設側の方が立場は上
なるべくお年寄りの残された機能を大切に、お年寄りに出来る事をなるべくして頂く。その理念は分かる
介護を行う上で、時にお年寄りの抱える問題や、様々な事に強く感情移入をしてしまう人間は、心が苦しくなってしまう事がある
性格的には、さっぱりした人でないと厳しい現場なのではないか?と思う。しかし、さっぱりというより、人に対しての物言いが上から目線なのはどうか…と思うのだ
例えば右手が不自由なお年寄りに対して、入浴介助時に着替をして頂く際、右側の方の手に袖を通し、左肩辺りまで通すお手伝いをして、お年寄りにご自分にて左手を袖に通してもらう
その際
『自分でさせて!』
ご自分で服を着られる方には声掛けのみ。見守りで良い。しかし… 麻痺の残る手で、どのようにしてご自分で着て頂けば良いというのだ。そんな感じで、色々な事に上から物を言ってくる。そんなタイプの人達が、介護施設側の職員に多くいたのだ。介護サービスの会社職員に対してきつく当たる
何より許せなかったのは、施設で暮らすお年寄り達への態度だ